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第58回 【殺 生】

 子供達が学校行事の潮干狩りでアサリを採ってきました。中には小さな巻き貝も混ざっていましたが、結局食べることもなく捨ててしまいました。
 考えてみれば、子供に捕まることがなければ、あるいは海に帰せば長らえることの出来た命でありましょう。いや、そんな感傷的なことを申すより、たくさんアサリを「捕らえた」子供を誉め、またアサリを鍋で煮る作業(調理=殺生)は家内任せで自分は手を下さず、さらにそのアサリを美味しいといってほおばる私はいったい何者なのかと思うのでした。
 ここに感傷的な殺生論では済まされない人間の本当の姿があります。
 人間は他の命を食べなければ生きていけません。多くの命によって支えられてきたのが我が命であって、だからこそこの命尊く、また我が命が思うようにならないのも当然のことかと思えるのです。仏法に出遇ってこそ、この命の有り難さがしみじみ知らされます。

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