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【達観出来ない人生】(『シティライフ』令和3年6月12日号掲載)

 死にたくないですよね。出来れば長生きしたいものです。
 で、伺います…「長生きしてどうしますか?」 
  いろいろなお答えがあるでしょうが、突き詰めていくと「命ある限りはとにかく生きるんだよ」との答えに行き着くのでしょう。
 「命ある限り生きる」とは「命尽きれば死ぬ」ということで、どちらも同じ意味です。私達は知らぬ間に随分と人生を達観しているのかも知れません。
 「生きる。今をただ生きるのだ」その思いあれば、「死ぬる。今ただ逝くのだ」と死を受容出来るはずです。でも現実の私は「じたばたと生きて、じたばたと逝く人生」しか歩めそうにありません。
 阿弥陀仏は、生死に苦悩する私の為の仏様です。だからこそ「命の長短」「人生の良し悪し」…それらを比較・採点なさいません。
 歳は取っても、今日は私にとって人生初めての一日。仏様は「どう生きても良い。ただ恵まれしこの大切な一日をどうか感謝の中でしっかりと過ごしておくれ」と願われ、私に寄り添っていて下さいます。

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