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第17回 【ひび割れ】

 といっても、冬の手指の荒れではなく、心の状態のことです。
 作家の五木寛之氏が「私達はかつてのジメジメした人間関係を嫌って、そこに風を入れ、どんどん乾かしてきた。その結果、乾燥させ過ぎて、人間関係がどんどんひび割れ、ぎすぎすしてきてしまった。ここでもう一度、湿度が、潤いが必要なのではないか」ということをおっしゃっていました。
 もっともだと思います。世の中全体に「自分が大切、他人のことまでかまっていられない」という乾ききった風潮がますます強まっているように感じます。
「人間関係が潤えばもっと暮らしやすい社会になるのに。でもそんなことは…」出来るのです、私達に。自分の気持ちが十分潤い、みずみずしければ他人にも優しい言葉・行動で潤いを与えられるのです。
 そしてこの自分を潤してくださるおはたらきこそが御念仏なのです。渇望に苛まされ、砂漠のようになった心を清浄なる香水で満たしてくださるのが仏法です。

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