第67回 【良い朋＝いいとも！】

　ちょっと気付いたことがありまして…。実は私達が毎日一生懸命にやっていることは基本的に「取り合い」「奪い合い」なんじゃないかと…。
　例えば、国なら領土や資源を、個人ならお金や食べ物を取り合っているんじゃないかと思うのです。ツライ勉強や仕事に励むのも、結局は他人より多くのものを手に入れる為なのではないでしょうか。やっぱり私達は人間といっても、所詮はヒトという『動物』に過ぎないのかも知れません。
　お釈迦様は幼少時「生類（しょうるい）は互いに食（は）みあっている」と嘆かれたそうです。
　私達＝人間は、せめて手に入れたものは独り占めせず、皆で分かち合って共に生きていけたら本当に素晴らしいですよね。
「御同朋」というのが浄土真宗の人間観です。皆が「朋」＝友達・仲間、また『宝』だという意味です。分かち合うものは財に限らず、優しさ、悲しみなど何でもいいんですよ。もちろんお念仏も…。